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染色体異常や遺伝子異常の確定診断を考えている方


こんな時に確定検査を検討します


・非確定検査(NIPTやクアトロテスト®︎等)で陽性の結果であった
・胎児に、染色体異常や遺伝子異常を疑う所見を認めた(例:首のむくみ、多発奇形等)
・ご年齢やこれまでの出産歴等から、染色体異常や遺伝子異常を確実に調べたい
など

適切な確定検査の方法


妊娠中の胎児の確定検査には、絨毛検査・羊水検査・臍帯採血といった方法があります。
胎児の情報を反映する正確性は、絨毛検査<羊水検査<臍帯採血と言われます。胎盤のもとを調べる絨毛検査は、稀に胎盤と胎児の情報が異なるという注意点はありますが、早い時期に実施できるため、結果後の時間に余裕があることや、解析範囲を追加することができるなどのメリットもあります。
一概に羊水検査が良いとは言えず、胎児の状況や実施時期によって、適切な確定検査の方法をご相談します。
確定検査はいずれも、妊婦さんのお腹に針を穿刺する検査であり、検査によって流産に至る可能性があります。検査前には、リスクについても十分お伝えした上で実施いたします。

方法
実施時期
流産リスク
採取する組織
絨毛検査
妊娠11〜14週
0.3%
胎盤
羊水検査
妊娠16週〜
0.3%
羊水
臍帯採血
妊娠16週〜
0.4%
胎児の血液

解析内容と結果返却までの時間


どの検査も、採取した細胞をどのように解析するかによって、得られる情報は異なります。
例えるなら、「血液検査」で貧血の検査をしても糖尿病がわからないように、「羊水検査」で染色体の検査をしても遺伝子異常はわかりません。
胎児の状況や家族歴等から、採取した細胞で「どこまで」調べるかをご相談します。
例えば、NT肥厚が3.5mm以上で、NT肥厚以外にトリソミーを疑う所見がない場合、NT肥厚の原因は染色体の数的異常よりも微小欠失や遺伝子異常の方が可能性が高くなります。このような場合に、染色体検査で正常を確認しても本当に異常がないのかわかりません。どの解析内容が適切かは、胎児ドックによる診察の後に行う遺伝カウンセリングでご相談となります。

解析内容
結果返却までの時間
染色体の数・形の異常
(染色体数的異常・構造異常)
迅速解析:1-2日
G-band解析:2週間
染色体の微細な形の異常
(染色体微小欠失・重複)
迅速解析:1-2日
マイクロアレイ解析:2週間
D-karyo解析:2週間
主要な遺伝子異常…6704遺伝子
エクソーム解析:4週間
遺伝子異常…特定の遺伝子のみ
要確認※可能であれば、妊娠前にご相談ください


検査の流れ


針を刺している時間は数分ですが、前後前後に診察や経過観察なども行うため、当日は2-3時間程度の余裕を持って来院ください。


  1. 胎児ドック*
    確定検査の方法や解析範囲をご相談するため、まずは胎児の状況を確認します。
    *確定検査の料金に、胎児ドックの料金も含まれます。

  2. 穿刺
    お腹からのエコーで胎盤や胎児の位置を確認しながら、穿刺を行います。
    絨毛検査では、局所麻酔を行った上で穿刺します。
    羊水検査は、細い針を使用するため局所麻酔を行いません。当院では、痛み軽減と破水などのリスク軽減のために、25Gという非常に細い針を使用しています。

  3. 安静待機
    検査後の行動制限はありませんが、30分ほどお休みいただきます。

  4. 心拍確認
    胎児の心拍確認と穿刺箇所の確認を行ったのちに、お帰りいただきます。

  5. 実施後の心拍確認(後日)
    ご希望があれば、穿刺した後日に胎児の心拍確認を行っています。

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