遺伝カウンセリングとは
遺伝に関わる疑問・悩み・不安についてお伺いし、それらの解決をサポートします。ご本人の既往歴や家族歴、遺伝情報などをもとに、適切な情報を正しくお伝えし、状況によって心理的サポートも行われます。
日本では1970年頃より遺伝相談としてはじまり、遺伝医療の発展とともに遺伝カウンセリングも日本全国で行えるようになってきました。遺伝に関する相談は、専門性が高いことから、通常の診察での対応は難しく、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーといった遺伝の専門家により行われます。
おなかの赤ちゃんは、わたしたちと同じように遺伝情報を持っており、これは赤ちゃんの健康に関わります。「遺伝」と聞くと親からの子へ引き継ぐものという印象により、ご家族に染色体疾患や遺伝子疾患のある方がいなければ心配ないと考える方も多いですが、赤ちゃんで初めて染色体や遺伝子に変化が起こることもあります(突然変異)。
そのため、赤ちゃんの健康について知りたいと思うとき、赤ちゃんの染色体や遺伝子に関する情報もとても重要となってきます。
当院の遺伝カウンセリングでは、赤ちゃんの健康に関する一般的なご相談はもちろんのこと、特定の染色体疾患や遺伝子疾患に対する出生前検査のご相談にも対応しております。
当院の遺伝カウンセリング
妊婦さんやパートナーの方、ご家族の抱える疑問点やご心配な点を中心に、どの選択肢が良いのかをいっしょに考えるため、いまの状況を整理し、状況に応じた情報をわかりやすくお伝えします。
- 当院の遺伝カウンセリングは、妊娠前、妊娠後(出生前検査前・後)のどのタイミングでもご利用いただけます。
- 個室で行いますので、周りを気にせずに安心してお話しいただけます。
- オンライン診療もご利用いただけるため、来院前にご自宅からのご相談も可能です。
遺伝カウンセリングの目的
- 出生前検査を受けるかどうかのご相談
ー年齢が気になる
ーむくみを指摘された
ー特に気になることはないが、受けた方がよいのか - 出生前検査でわかる生まれつきの病気について知りたい
- 出生前検査の種類による違いや、どれが自分にとって適切な検査か知りたい
- 他院で受けた出生前検査についてのご相談
―結果の解釈がわからない
―絨毛検査や羊水検査を考えたい - 赤ちゃんへの影響について知りたい
―ご自身/パートナーの年齢が気になる
―上のお子さんやご家族に生まれつきの病気がある
―妊婦さんやパートナーの方が染色体や遺伝子の変化を持っている(可能性がある)等
ご利用いただけるタイミング
- ご妊娠前や胎児ドックが受けられる妊娠11週以前もご利用いただけます。
- 当院で実施する胎児ドックは、妊娠12週から可能です。検査当日には必ず遺伝カウンセリングを実施しています。
※検査当日のカウンセリングは、費用負担ありません。 - 出生前検査を受けるかどうかもご相談される場合、検査の種類によっては受けられる時期が限られています。そのため、まずはお早めのご相談をおすすめしております。
※カウンセリング後に受けるかどうかを考える場合には、予約状況によって当日の胎児ドックが困難なことがありますので、まずは遺伝カウンセリングのみの受診をおすすめいたします。
よくある質問
遺伝カウンセリングは何のためにするのですか?
出生前検査を考えている方のなかには、「検査を受けたほうがいいのか」「なにを受けたらいいのか」「いつ受けたらいいのか」など、疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。インターネットやSNSには、出生前検査や先天性疾患についての情報がたくさんありますが、そこから正しい情報を見つけるのはなかなか大変です。妊婦さんやパートナーの方、そしておなかの赤ちゃんの状況を踏まえたうえで、適切な情報をお伝えし、ご相談をするために遺伝カウンセリングを行います。
また、すべての出生前検査において、わかる疾患や検査精度には限界があります。受けようと思っている検査で、知りたいことが知れるのかということを遺伝カウンセリングで確認することも重要です。
どんな人が遺伝カウンセリングの対象になりますか?
すべての方が対象です。
おなかの赤ちゃんに気になる所見を認めている・ご家族に染色体疾患や遺伝子疾患のある方がいらっしゃる場合はもちろんですが、気になることを指摘されていない方もご利用いただけます。 妊婦さんだけでなく、妊娠前の方も対象です。また、パートナーの方のご利用も可能です。
遺伝カウンセリングで相談できることはどんなことですか?
当院では、出生前検査に関するすべてのご相談に対応しております。
遺伝カウンセリングの対象となるかわからない場合でも、まずはお気軽にお問い合わせください。
遺伝カウンセリングは誰と行うのですか?
産婦人科医と遺伝カウンセリングを専門とする認定遺伝カウンセラーが一緒に対応いたします。疾患や治療に関する詳しいお話しが必要な時には、小児循環器・小児外科の医師も同席いたします。
遺伝カウンセリングで相談したことは秘密にできますか?
遺伝カウンセリングで教えていただいた情報は、かかりつけの産婦人科も含め、無関係の他者に伝えることは決してありません。ご安心ください。
かかりつけの産婦人科への情報共有が必要と考える場合でも、情報をお伝えする前に必ず確認をいたします。
遺伝カウンセリングの費用はどれくらいですか?
自費診療となり、5,500円(税込)/30分です。
出生前検査に関する一般的な情報(種類・対象・精度など)のご説明で、約30分が目安です。
また、下記のような当院での出生前検査に伴うご相談については、各検査費用に含まれます。
- 胎児ドックやその他オプション検査、確定検査の事前相談※
- 当院で行った検査の結果に基づくご相談
※遺伝カウンセリングでご相談の結果、当日に胎児ドックを受けなかった場合には遺伝カウンセリングの費用が発生します。