羊水検査

羊水検査とは

羊水検査は、妊婦さんのお腹から針をさすことで羊水を採取します。

羊水とは

羊水の主な成分は、赤ちゃんのおしっこです。
羊水のなかには、赤ちゃんの細胞が浮かんでいますので、この細胞を用いて検査をします。

羊水検査を行うタイミング

など

実施できるタイミングは、妊娠16週以降です。

羊水検査でわかること

大きく分けると、以下の3つを調べることができます。

  1. 染色体の数・大きな形の変化
  2. 染色体の細かな形の変化
  3. 遺伝子の変化

「わかることは全て知りたい」と思うかもしれませんが、ヒトの遺伝情報には無数の個人差があるため、状況に応じて、解析方法をご相談します。
また、羊水検査の限界点として、染色体や遺伝子を原因としない疾患についてはわかりません。

羊水検査の流れ

 1.お腹を消毒します

 2.エコーで胎盤の位置、胎児の位置を確認します

 3.エコーで針先を確認しながら、羊水採取用の針を刺します(さしている時間は数十秒から数分)

 4.針を抜き、赤ちゃんの心拍、子宮収縮の有無を確認します

羊水検査の痛みは?

痛みの感じ方は人によって異なりますが、「思っていたよりも痛くなかった」「採血くらいか、それより痛くない」とおっしゃる妊婦さんが多いです。
当院では、羊水検査前の麻酔は行っておりません。
羊水検査で使う針は、羊水検査で麻酔用に使用する針と同じく25G(ゲージ)という細さです。そのため麻酔をするとしても、麻酔をするときに痛みが生じるため、当院では麻酔は不要と考えています。
この25Gは、ワクチン接種で一般に使用される針の細さです。当院では、検査時の痛みを軽減できるよう、この細さの針を使用しています。採血で一般に使用される針が、21〜23Gと、それより太い針になるため、採血程度というイメージが近いかもしれません。
(※数字が小さいほど太い針となります)

羊水検査後の注意点

検査後すぐと、検査から20~30分後に、赤ちゃんの心拍と針をさした場所を確認します。その後、過ごし方に制限はなく、いつも通りに過ごしていただけます。羊水検査当日、シャワーやお風呂に入っても大丈夫です。
羊水検査を行う一部の施設では、念の為に入院管理をしているところもありますが、当院では念の為に宿泊してもらう意義は低いと考え、日帰り検査としています。不安なことがあれば、後日、外来での心拍確認を行うこともできます。

羊水検査の結果返却

染色体の数・形を調べる検査(G-band 解析)は、2〜3週間かかります。
また、染色体の数のうち、一部の結果が迅速にわかる検査(PCR法またはFISH法)もあります。この迅速検査は、1〜3日程度で結果がわかります。ご希望により迅速検査を加えられますが、別途料金はかかります。
絨毛検査と同じく、当院では全ての診察日で羊水検査を行っています。病院によっては、検査を行える曜日がきまっているため、「早く知りたいのに、そもそも検査まで数日待たなければいけない」という妊婦さんのお声を度々耳にします。
確定検査はむやみにする検査ではありませんが、当院では遺伝カウンセリングと胎児ドックを行ったうえで、初診でも対応を行っています。

羊水検査の費用

羊水検査のための穿刺料に加えて、解析料がかかります。
例えば、ダウン症候群や13トリソミー、18トリソミーを調べるG-band解析(G分染法ともいいます)を行うときは、合計10〜20万円程度になる施設が多いです。調べるものが多いほど、費用もかかってきます。

費用

羊水検査のよくある質問

羊水検査だけで、胎児ドックは受けなくてもいいですか?

A.当院では、大きく2つの理由により、羊水検査の前に胎児ドックを行っています。

  • 羊水検査ではわからない、形の異常をみる
  • 形の異常をみることで、羊水検査でどこまで調べるかを考える

羊水検査といっても、以下3つのように調べる範囲は広くあります。

  1. 染色体の数・大きな形の変化
  2. 染色体の細かな形の変化
  3. 遺伝子の変化

羊水検査というと、一般的にはG-band法・G分染法といって上記①の変化を調べる検査を指すことが多いです。しかし、このG-band法・G分染法でわかる範囲は、生まれつきの症候群や疾患の25%です。残り75%はわかりません。

胎児ドックでは、染色体や遺伝子ではなく、実際の赤ちゃんをみます。そのため、羊水検査ではわからない臓器ごとの異常(心臓病や口唇・口蓋裂など)にも気づくことができ、安全な出産や赤ちゃんの治療に向けての準備にも繋がります。

また、赤ちゃんの体に異常を認める場合、ものによっては上記②や③を疑うことがあります。一般的な上記①を調べてもわからないため、このような場合には調べる範囲を相談します。

これは、私たち大人でも、怪我をしたり、病気を患った時には、起こっている症状をみてから必要な検査を決めるのと同じことです。

羊水検査には、「気づけない病気があること」や「調べる範囲(解析方法)にも種類があること」を知っておくとよいでしょう。

羊水検査をしたいので妊娠16週以降に受診してもいいですか?

A. 今の妊娠週数によって、何週での受診が適切かが異なります。
もし、今の妊娠週数が14週台までであれば、16週を待たずに受診することも検討してみてください。なぜかというと、妊婦健診のエコー検査では赤ちゃんの全身を評価しないため、異常があるかどうかはわかりません。胎児ドックで赤ちゃんに形の異常を認める場合には、絨毛検査も選択肢に挙がります。

ダウン症候群などトリソミーについて調べたい場合は、エコーでの評価が可能な妊娠12〜13週台で一度受診することをおすすめします。情報を集めたうえで絨毛検査や羊水検査の選択肢を考えることができたり、妊婦さんによっては「羊水検査をしなくても、胎児ドックやコンバインドテストで安心できた」と羊水検査が不要になるケースもあるためです。

また、いま妊娠15週以降の方は、16週〜17週での受診で問題ございません。羊水検査は一般的に、妊娠17週台までに実施しますので、もし妊娠18週以降で羊水検査を検討している方は、すぐにご相談ください。

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