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2022.11.08

妊婦健診で「むくみがある」「NTが厚い 」と言われたら


妊婦健診で「むくみがある」「NTが厚い  」と言われたら

妊婦健診で、思いがけず伝えられる不安の一つが「NT」(=胎児の首の後ろのむくみ)ではないでしょうか。
NTが厚いとダウン症候群の可能性が高くなることが知られています。なかには「絶対ダウン症だ」といわれていたり、そう思って受診される方もいます。しかし実際にはダウン症候群であることはむしろ少なく、他の染色体・遺伝子が原因であったり、心臓病など他の病気の可能性も考えられます。
妊婦健診で「NTが厚い」と言われたときに確認しておくべきポイントを押さえて、「NT」についての正しい知識を身につけましょう。

NTってなに?

NT(Nuchal translucency)とは、胎児の首のうしろにある水たまりの部分を指します。 染色体異常の他に、心臓病や感染症などでも、首のうしろが厚くなることがあります。 染色体異常は、ダウン症候群や13トリソミー、18トリソミーなどがあります。感染症には、リンゴ病など、胎盤を通して赤ちゃんに影響が出るものがあります。

NTが厚いと言われたときに確認する5つのポイント

5つの確認ポイント

NTが厚いと言われたら、これらのポイントを確認するようにしましょう。

1 本当に厚いのか
2 どの程度厚いか
3 厚い原因はなにか
4 評価する週数は適切か
5 他にも気になる点がないか

確認のため4つの必要なこと

これら5つののポイントを確認するためには、以下の4つが必要です。

1 良い診断装置(高周波数のエコー装置)
2 十分な診療時間(30〜60分程)
3 胎児カルテシステム
4 胎児診療分野の技術と知識(一般産婦人科とは異なる専門性です)

一般の妊婦健診でこれらを評価することは困難なため、妊婦健診を行う産婦人科とは別に、胎児診療を行う「胎児クリニック」があります。

5つの確認ポイントについては、次の記事で詳しくご紹介します。


この記事を書いたのは

林伸彦

林伸彦

当院では、赤ちゃんの健康を望む気持ちや、妊娠中の不安を理解し、多様な家族背景や価値観を持つ家族に対し、胎児診療を提供します。